総合外来
老人デイサービスセンター通所による生活改善面の心身への効果―身体・精神・生活への総合的視点
三宅 貴夫
1
Yoshio Miyake
1
1太田記念病院老人医療福祉指導部
pp.612-613
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900506
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近年病院や診療所に高齢者の患者が著しく多くなっている.高齢者の患者は,一人で複数の疾患や障害をもっており,複数の診療科を受診していることはまれではない.そのため検査や投薬が重複したり,治療方針が異なったりすることも生じる.また高齢者の状態には老化が関与しており,診療にあたっては老化と疾病の区別などの判断が求められる.また高齢者においては,身体面だけでなく,精神面や生活面をも視野に入れた診療が欠かせない.また各科にまたがる診療が必要な高齢者には,各科をまとめる総合的な主治医も必要である.
ところがわが国ではこうした高齢者の患者への視点,知識,技術,役割をもった診療科(老年科)や,医師(老年科医)が一部の大学病院を除いて皆無に等しい,そのなかで「たまたま老人を診ている」というのが外来診療の実態である.
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