こどものsocial medicine 病気とともに積極的に生きる・3
白血病―1.治療の基本方針
細谷 亮太
1
Ryota Hosoya
1
1聖路加国際病院小児科
pp.312-313
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900097
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不治の病とされていた小児急性白血病に初めて化学療法が試みられたのは1940年代の後半であった.その後,多剤併用療法や中枢神経再発予防などが工夫され,予後は飛躍的に改善した.小児急性白血病の約8割を占める急性リンパ性白血病(acute Iymphocytic leukemia; ALL)について言えば,現在,ほとんどすべての患児が寛解に至り,その約7割は5年以上の長期寛解を得る.また,その大部分は治癒したものと考えられる.しかし化学療法剤にも,様々な副反応があり(表1),治療は苛酷といえる.
治療中ならびに治療後,小児白血病の患者を通常の子どもたちと同様に扱い,普通の生活を送らせるためにはどうしたらよいかを考える.そのためにここではまず小児急性白血病治療の現況を述べる.
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