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特集 ルーチン検査でここまでわかる
腎疾患―慢性糸球体腎炎の検尿,血液/生化学的診断
Diagnosis of Chronic Glomerulonephritis by Routine Urine and Blood Tests
平野 宏
1
Hiroshi Hirano
1
1川崎医科大学腎臓内科
pp.870-872
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900277
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ポイント
・腎疾患患者の自覚症状は少ない.検診で蛋白尿や血尿を指摘され,その精査目的で受診することが多い.
・蛋白尿と血尿の鑑別疾患は多数ある.とくに血尿は下部尿路疾患との鑑別も必要である.
・慢性糸球体腎炎は臨床所見でつけられる病名であり,血尿を伴った蛋白尿が1年以上持続したものをさす.
・慢性糸球体腎炎は組織所見からみると多種類の腎炎が含まれるが,多く(約60%)はIgA腎症である.
・慢性糸球体腎炎の長期予後の推測は重要である.多く(約70%)は予後良好で治療の必要はないが,残り(約30%)は数年から10年以上の長期経過で慢性腎不全に進行する.尿蛋白量(1g/日以上の持続)は腎炎の進行と関連した重要な所見である.
・慢性糸球体腎炎は長期の経過観察が必要である.外来受診時には,検尿(尿蛋白量,血尿の程度,円柱尿の有無,尿比重),腎機能(血清CRTN,BUN)を定期的にみていく.
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