病気のはなし
急性糸球体腎炎
原田 稔
1
1日大・第2内科
pp.486-491
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201391
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急性糸球体腎炎は一般に明らかな先行感染に引き続いて,ある潜伏期間,多くは感染後1〜2週間の後に浮腫,血尿,高血圧などの臨床症状を呈してくる.先行感染の多くは上気道感染であり,病原体としてはA群β溶連菌が古くから知られている.本症の発現には抗原抗体反応が関与するとされている.すなわち溶連菌感染が起こると溶連菌の菌体成分が抗原となり,これに対して抗体が形成され,次いで循環血漿中で抗原抗体複合物を形成し,更に補体を活性化させ,糸球体毛細管基底膜に沈着し病変を惹起すると解されている.
急性糸球体腎炎の先行感染として溶連菌以外に肺炎球菌,ブドウ球菌,ウイルス感染などによる例も認められている.
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