みるトレ
Case 71
佐田 竜一
1
1亀田総合病院総合内科・内科合同プログラム
pp.947-948
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200023
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Case 71
患者:78歳,女性.
主訴:両下肢筋力低下,頭重感.
生活歴:もともとADL自立,喫煙・飲酒歴なし.
既往歴:4年前に慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy : CIDP)の診断にてIVIg/ステロイド治療で軽快.1年前にDVTに対しIVCフィルター留置.
薬剤歴:PSL 9mg,アザチオプリン100mg,ワルファリン2mg,タケプロンⓇ.
現病歴:1日前から両下肢の力の入りづらさと頭重感を自覚していた.入院当日,こたつから起き上がれないため当院に救急搬送された.
身体所見:血圧152/52mmHg,脈拍70回/分,体温38.9℃,呼吸数16回/分,SpO2 98%,GCS E4/V5/M6=15点,頭頸部・胸部・腹部・四肢に明らかな異常なし.(神経所見)脳神経に異常なし,協調運動・感覚・反射異常なし.病的反射なし.項部硬直/neck flection test/jolt accentuationすべて陰性.両側腸腰筋/大腿四頭筋/大腿二頭筋のMMTは4,上肢・下肢遠位筋は5.
髄液所見:初圧18cm/H2O,単核球6/3μl,分葉核球0/3μl,乳酸2.3mg/dl,蛋白56mg/dl,髄液糖58mg/dl(血糖127mg/dl).
経過:無菌性髄膜炎ないしはCIDPの増悪を考え,髄液培養の期間を延長してもらい経過観察していた.しかし発熱・頭痛は全く改善せず,入院12日目に髄液培養陽性の報告があった.髄液穿刺を再度行い,グラム染色を施行した(図1).
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