みるトレ
Case 34
佐田 竜一
1
1天理よろづ相談所病院総合診療教育部/感染症管理センター
pp.433-435
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102859
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Case 34
症例:70代,女性.主訴:物忘れがひどい,右に傾く.
既往歴:20年前に子宮筋腫(単純子宮全摘術).内服歴:なし.
生活歴:ADLは自立で5日前まで買い物もできた.飲酒・喫煙歴,海外渡航歴はなし.
現病歴:4日前から「洗濯機のスタートボタンがわからない」,「トイレの場所がわからない」,「歩行中に右に傾く」症状などが出現し,家人が心配して受診させた.
身体所見:血圧113/64mmHg,脈拍70回/分,整,呼吸数16回/分,体温36.2℃,GCS=E4/V4/M6=14点,右利き.「100引く7」ができない.文字を書けない.脳神経に異常なし,体表知覚や協調運動は評価不能,歩幅はやや広く,右に傾く.「左手を握ってください」というと右手を握る.左空間失認あり.右鼠径に4cm大の疼痛を伴わない弾性硬・境界不明瞭な腫瘤を触れる.
受診時検査所見:頭部単純CT(図1).
経過:転移性脳腫瘍ないしは脳膿瘍を疑われ,脳神経外科に入院した.腫瘤摘出術を施行された.術中検査から図2を得た.
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