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健康日本21(第2次)から
2012(平成24)年7月に,わが国の国民の健康増進のための総合的な取り組みの基本的方針として「健康日本21」の全面改定がなされ,新たに今後10年の取り組み目標を含めた「健康日本21(第2次)」が策定された.その骨子は,①健康寿命の延伸と健康格差の縮小,②主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底,③社会生活を営むための必要な機能の維持および向上,④健康を支え,守るための社会環境の整備,そして,⑤栄養・食生活,身体活動・運動,飲酒,喫煙および歯・口腔の健康に関する生活習慣および社会環境の改善,という5項目である.このなかで,とくに高齢者の栄養に関しては,高齢者の要介護状態の予防または先送りという視点から「低栄養傾向の高齢者の割合の増加の抑制」が設定されている.すなわち,高齢者においては,やせ・低栄養が,要介護および総死亡に対する独立したリスク要因として重要なことが広く知られており,低栄養状態を予防あるいは改善し,適切な栄養状態を確保する必要が重要課題として提示され,「低栄養傾向の高齢者の割合の増加の抑制」が設定された.「低栄養傾向にある高齢者」の操作的定義あるいは具体的指標として,要介護や総死亡リスクが統計的に有意に増大するポイントとして示されている「BMI 20以下」が有用と考えられ1~4),これを指標として採用された.BMI 20以下の者の割合は65歳以上の高齢者において加齢とともに増加する.今後,高齢者人口のうち75歳以上高齢者の占める割合が増加することから,現在の出現率がその後一定と仮定しても,2023(平成35)年にはBMI 20以下の者の割合は22.2%に達すると推定され,そこで,自然増により見込まれる割合(22.2%)を上回らないことを目指して,22%を目標値とすることが考えられた.これに基づく現状および目標値は以下のとおりに設定されている(表1).
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