みるトレ
Case 36
岩崎 靖
1
1愛知医科大学 加齢医科学研究所
pp.519-520
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102886
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Case 36
患者:73歳の男性.特記すべき既往症はない.70歳頃からしばしば転倒するようになった.近医にてL-dopa製剤を投与されたが効果は乏しかった.次第に動作緩慢,認知機能障害も目立つようになった.嚥下障害が出現し,経口摂取が困難となってきたため受診した.
現病歴:意識は清明だが,構音障害あり.眼球運動は上下方向に高度,水平方向に軽度の制限があったが,眼球頭位反射はよく保たれていた.頸部・体幹に高度の筋強剛を認め,頸部はやや後屈していた.四肢の筋強剛は軽度で,左右差はなく,振戦は認めなかった.すくみ足と小刻み歩行を認め,後方への転倒傾向が強かったが,四肢の失調は明らかでなかった.四肢の腱反射は軽度に亢進し,両側のBabinski反射が陽性であったが,左右差は認めなかった.
検査所見:血液生化学検査に異常はなく,甲状腺機能も正常であった.血清梅毒反応検査は陰性であった.頭部MRI(図1a,b)を示す.
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