特集 この組み合わせに注意!日常診療で陥りやすいpitfall
【病態別のpitfall!―私が経験したこの組み合わせはpitfall!】
GERD悪化の要因は?
野々上 智
1
1医療法人社団健育会西伊豆病院内科
pp.400-401
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102846
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Case
症例:72歳,女性.慢性胃炎・不眠症のため他院通院中であった.上部消化管内視鏡検査では慢性胃炎を認めたが,胃潰瘍・逆流性食道炎は認めていなかった.ファモチジン20mg/日など投与されていた.4カ月前,他院整形外科で骨粗鬆症を指摘され,同院でアレンドロン酸錠5mg/日の処方を受け,内服治療を開始された.自宅から近い当院での転院を希望された時に,同効薬処方を希望された.この時点で消化器症状なし.以後,当院採用薬のリセドロン酸錠2.5mg/日に処方を切り替えた.朝食前,十分な水で服用し,30分横臥しないことを指導した.
内服薬:リセドロン酸錠2.5mg/日,ファモチジン20mg/日,レバミピド300mg/日,ゾピクロン7.5mg/日.
その後の顛末:処方後,しばらくの間は消化器症状を認めなかった.8週後胸やけ感をわずかに気づくが自制内で,同日継続処方した.10週後電話で「胸やけ感が強くなった」との連絡があったため,翌日の内服を中止するように指示.翌日上部消化管内視鏡検査を施行したところ,逆流性食道炎(LA分類gradeB)・胃潰瘍を認めた.リセドロン酸錠内服中止を指示し,ファモチジン錠に変え,オメプラゾール錠20mg/日内服開始.以後,胸やけの症状は軽減した.なお,リセドロン酸錠に変更後も服用後30分上体を起こすなど,正しく服用できていた.
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