特集 この組み合わせに注意!日常診療で陥りやすいpitfall
【病態別のpitfall!―私が経験したこの組み合わせはpitfall!】
乳幼児への抗ヒスタミン薬―乳幼児へ第1世代抗ヒスタミン薬の使用は禁忌に近いのでは?
原 朋邦
1
1はらこどもクリニック
pp.402-403
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102847
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Case
症例:1歳5か月,男児.
鼻水,咳があり,A病院小児科を受診,いわゆる風邪の診断で処方をされた.服用開始後,不機嫌になり,泣き叫び,ウトウト眠るが睡眠時間は短く,不穏状態になる.家族に母親の育児態度がまずいためになったと非難されて,納得できない母親は患児をつれて実家に戻った.祖母は余りに異常なので病気があると指摘し,母親は患児を連れて当院を受診した.
受診時も不機嫌であり,フラフラして歩行できず,落ち着かず,母親があやしてものけ反って泣く.軽度の鼻汁,咳があり,咽頭発赤軽度,胸部は打聴診上異常所見なし.腱反射に異常なく,項硬直,ケルニッヒ兆候なし.
お薬手帳を見ると,風邪症状で受診した時に,いつもメキタジンとケトチフェンが処方されていたが,それぞれは推奨処方量の半分であった.しかし今回は,それぞれの推奨量が処方されていた.抗ヒスタミン薬の過剰投与による症状と判断し,投薬を中止した.翌日,再度受診し,風邪症状を含めて症状の消失を確認した.
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