GERD診療の最前線 胃酸逆流への対応
GERDの基礎知識 GERDの非定型的症状 どのようなときにGERDを疑うのか?
岩切 龍一
1
1佐賀大学 光学医療診療部
キーワード:
胃食道逆流
,
胸痛
,
呼吸器徴候と症状
,
耳鼻咽喉疾患
Keyword:
Chest Pain
,
Gastroesophageal Reflux
,
Otorhinolaryngologic Diseases
,
Signs and Symptoms, Respiratory
pp.602-604
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007018830
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胃食道逆流症(GERD)は胃酸や胃内容物の食道への逆流(GER)によってもたらされる食道粘膜損傷により、さまざまな症状を引き起こす疾患である。定型的症状として胸やけや呑酸等がよく知られているが、これらの症状は氷山の一角にたとえられ、GERDによって起こる症状のごく一部にすぎない。GERDによって非定型症状として非心臓性胸痛や気管支喘息、慢性咳嗽、慢性気管支炎などの呼吸器疾患のほか、耳痛や咽喉頭異常感、音声障害、咽頭痛など耳鼻咽喉頭症状、精神症状など、さまざまな症状が惹起される。一般臨床医は、説明がつかないような上半身の症状に遭遇したときは、GERDの存在も念頭に置くよう心がけるべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2006