みるトレ
Case 19
佐田 竜一
1
1天理よろづ相談所病院総合診療教育部/感染症管理センター
pp.847-849
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102664
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Case 19
症例:80代女性.主訴:両下肢の皮疹,右大腿の腫脹・疼痛.
既往歴:慢性心不全,神経因性膀胱.
内服歴:フランドルテープⓇ,ニューロタンⓇ,バイアスピリンⓇ,パリエットⓇ,アーチストⓇ,マグミットⓇ,ルプラックⓇ.
現病歴:もともとADLは屋内で自立していたが,慢性心不全急性増悪にて4カ月前から当院に入院した.呼吸状態は速やかに改善したが,入院中の転倒により骨盤骨折を起こして寝たきりになり,2カ月前に療養型病院に転院した.1カ月半前から微熱,左膝周囲に発赤を伴う皮下腫瘤が出現し,徐々に右大腿も腫れてきたため,当院に再度紹介された.
身体所見:血圧113/54mmHg,脈拍90回/分・整,呼吸数20回/分,SpO2 98%(O2;air),体温37.2℃,JCS=0,GCS=E4V5M6,[頭頸部]特記すべき異常なし.[胸部]呼吸音左右差なし,心尖部に収縮期逆流性雑音(Levine Ⅱ°)を聴取.[腹部]恥骨結合部位に圧痛あり.[四肢]上肢:特記すべき異常なし.右下肢:大腿が明らかに腫脹し(図1),動作時痛もある.発赤・紫斑が散在.左下肢:膝関節屈側,下腿前面に波動を触れる3cm程度の膿疱あり,左下腿皮下は一部自壊している(図2).
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