Editorial
果物とシロップを別々に食べてもフルーツポンチにはなりません
伴 信太郎
1
1名古屋大学大学院医学系研究科健康社会医学専攻総合診療医学
pp.485
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102533
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本号は,非専門家が身につけておきたい耳鼻咽喉科的な臨床能力の特集です.かぜ症状に併発(続発)する中耳炎や副鼻腔炎などの頻度を考えれば,このような臨床能力はジェネラリストにとって不可欠のものでしょう.今の日本の地域医療の第一線で一般診療に従事している医師にとっては,その多くが内科,外科,小児科,産婦人科などの旧来型の専門領域に基盤があるために,このような臨床能力は,「専門外の」臨床能力と位置付けられることが多いかもしれません.しかし,家庭医(日本でもその専門医認定制度が始まっている)にとっては,あくまでも必要な臨床能力の一つに過ぎません.患者さんの頭の先から足の先までをその視野に入れ,また身体的なことのみならず社会生活を営む人間として,その心理・社会的なことも配慮するジェネラリストにとっては,そう位置付けられるわけです.
このようなことが話題になる時にいつも繰り返される議論が2つあります.
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