特集 思春期女子への診療―ティーンズとどう向き合いますか
ティーンズ女子のよくある悩み
不登校と仲間関係
関谷 秀子
1
1関東中央病院・精神科
キーワード:
思春期
,
不登校
,
仲間関係
,
自律性
,
退行
,
発達
Keyword:
思春期
,
不登校
,
仲間関係
,
自律性
,
退行
,
発達
pp.808-810
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102310
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不登校とは
不登校は第二次大戦後の1940年代にアメリカで最初に報告された.日本では1950年代から報告され,1980年代には社会問題となり始めた.文部科学省は不登校の児童生徒を「何らかの心理的,情緒的,身体的あるいは社会的要因・背景により,登校しない,あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち,病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義した.文部科学省の調査によると,不登校の児童生徒の数は,毎年右肩上がりに増加していたが,2008(平成20)年度の不登校の児童数は,全国の国公私立小中学生合わせて約12万7千人となり,はじめて減少に転じた.しかし,不登校の児童生徒数はまだ13万人近くもおり,看過できない問題として認識されている.
文部科学省の不登校の定義には,いわゆる登校拒否と非行による怠学型の不登校の両方が混じっているが,本稿では一般外来を受診することが多い,いわゆる登校拒否について論じることにする.
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