特集 “思春期内科”―大人でも子どもでもない患者を診る
[Chapter 3] 思春期にまつわる問題
不登校
水谷 肇
1
,
三澤 美和
1
,
鈴木 富雄
1
1大阪医科薬科大学病院 総合診療科
キーワード:
不登校
,
起立性調節障害(OD)
,
心身症
Keyword:
不登校
,
起立性調節障害(OD)
,
心身症
pp.438-443
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_438
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▪不登校は思春期の子どもにまつわる最も一般的な “悩みの種” であり,プライマリケア領域で不登校の患者に対応する必要性は今後高まると予想される.
▪まずは器質的疾患の診断と除外を行う.成人の診察と同じように丁寧な問診と身体診察が必要である.
▪器質的疾患を除外した後は精神的な疾患や発達障害を診断するが,レッテル貼りにならないよう注意を要する.
▪起立性調節障害(OD)は不登校のcommonな原因である.新起立試験は外来で行うことのできる有用な試験である.
▪ODには心身症の側面がある.薬物療法だけではなく,疾病教育や生活習慣指導,学校との連携や家庭での環境調節も行うべきである.
▪実臨床ではいずれかの疾患にクリアに分類されない症例も多い.患者中心の医療(PCCM)の視点に立ち,焦らずに見守っていくような外来診療が求められる.
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