Editorial
ガールズ・グループ
松村 真司
1
1松村医院
pp.779
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102303
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いつの時代もアイドルはいるものだが,とくに最近,ガールズ・グループに注目が集まっているようである.近頃は性別にかかわらず1グループの単位が大人数にふくれあがっているのだが,5人や7人ならともかく数十人単位のグループになると,そのなかのメンバーを見分けることは,私にとって骨髄塗末標本の腫瘍細胞を見分けるのと同じくらい難しいことである.自分が思春期だったころは,当時人気のアイドル・グループのメンバーを,「皆,同じ顔に見える」と揶揄する年配者のことを小馬鹿にしていたものだが,年月を経て自分も同じ地平線にたどり着いた,ということなのだろう.人間という輩は,世代などと関係なく,本質的な違いはさほどない.ノー・フューチャーと叫んだロッカーは,初めから夭折する運命にあった,そんな気にもなる.
それはともかく,大人数で一斉に歌い踊っているところを見ていると,さすがに迫力がある.小さな劇場で彼女らのパフォーマンスを目の当たりにしたら,個々の質はともかく,全体としてはさぞ華やかに違いない.多くの人が夢中になるのも頷ける.最近では韓国からのグループも活躍しているようだ.英米には同様のグループはそれほど見かけないようなので,このあたりを対比させつつ論じるのは,比較文化的に興味深いことかもしれないが,まあエンターテイメントとしてそれなりに成り立っているのであれば,私たちは単純に楽しめばよいのだろう.
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