特集 エクストリーム困難事例への挑戦
各論
クライシス・マネジメント―緩和ケア領域の事例から
宮森 正
1
1川崎市立井田病院・かわさき総合ケアセンター
キーワード:
急性ストレス障害
,
危機
,
危機介入
,
SHARE
,
傾聴
Keyword:
急性ストレス障害
,
危機
,
危機介入
,
SHARE
,
傾聴
pp.730-735
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102286
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Case 1
突然の告知と余命の宣告
患者:40歳代,女性.
若いころから病気知らずであったが最近腰痛を感じ,総合病院を紹介されて受診したところ,ひどい貧血で緊急入院となった.内視鏡や骨髄の検査をされた後,夫と一緒に病状説明をされた.「スキルス胃がんで,骨髄に転移浸潤しており,すでにDICの状態で出血傾向がみられる.治療は難しく,余命は1カ月以下と考えられ,急性期病院である当院ではケアできないので,急いでホスピスか緩和ケア病棟に行ってもらいたい」と主治医にいわれた.突然の告知と余命の宣告をされて,放心状態のなか,主治医も看護師も,早く転院するようにというばかりであった.わけわからず転院してきたが,患者は,毎日ただ泣くばかり.夫も動転してどうすればよいのかわからず,隣で押し黙ったままである.
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