特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして
【診断する!初期治療を行う!】
【診断コラム】
「悪い知らせ」はどう伝えればいい?—SHAREプロトコル
竹内 麻理
1
1慶應義塾大学病院 緩和ケアセンター
キーワード:
bad news
,
コミュニケーションスキル
,
SHARE
,
コミュニケーション技術研修
Keyword:
bad news
,
コミュニケーションスキル
,
SHARE
,
コミュニケーション技術研修
pp.1214-1215
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201684
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Q1 「難治がん」の診断をどう伝えればいい?
改めて言うまでもないが、医学は科学であり、“エビデンス”に基づいた正確な診断・適切な治療を行うことが必要である。しかし、がんの診断などの「悪い知らせ(bad news)」を伝える際には、正確さだけではなく、患者を1人の人間として思いやりながら説明するという、“アート”の部分も大切である(p.1189)。患者の気持ちに配慮した伝え方は、医師‐患者間の信頼関係の構築にもつながり、患者の精神的ケアに大きく関わってくる。このアートの部分を、どう磨き上げていけばよいのだろうか? その1つの方法として、コミュニケーションスキル「SHARE」を紹介したい。
コミュニケーションに関する患者の意向には文化差があり1)、「日本人」に適した方法として開発されたのがSHAREである。がん患者やがん治療専門医を対象に調査し、悪い知らせを伝えられる際に望むコミュニケーションとしてあげられた4つの因子(表1)の頭文字をとってSHAREと呼んでいる2)。SHAREを用いたコミュニケーション技術研修会が各地で開催されており、トレーニングの有効性は、がん治療医を対象としたランダム化比較試験にて、患者の抑うつ低減などにも有用であることが示されている3)。
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