特集 めまいがするんです
【不安定感・動揺感(dysequilibrium)】
病歴と身体診察のポイントと検査の進め方
佐藤 慶史郎
1
,
清水 貴子
1
1聖隷浜松病院神経内科
キーワード:
不安定感
,
動揺感
,
中枢神経障害
,
末梢神経障害
,
変性疾患
Keyword:
不安定感
,
動揺感
,
中枢神経障害
,
末梢神経障害
,
変性疾患
pp.937-940
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102051
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Case
動揺感が目立ったレビー小体型認知症
患者:83歳,男性.
現病歴:200X年7月より起立時の立ち眩みがあり,徐々によろめき・動揺感が目立ち,8月には易転倒性も顕在化した.パーキンソン症状として,四肢・頸部に固縮と姿勢反射障害・小刻み歩行を呈し,起立試験で起立性低血圧を認めた.さらに,MIBG心筋シンチグラフィで心臓へのMIBG集積が低下,覚醒により変動する注意障害や幻視も呈したため,レビー小体型認知症と診断した.本例の動揺感や易転倒性の要因には,パーキンソン症状としての姿勢の不安定性に加え,起立性低血圧に伴う失神,認知症状としての危険に対する注意力や自己の状態や周囲への洞察力の低下が想定された.
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