Japanese
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講座
リハビリテーション診断学(8)―変性疾患(中枢神経系)の診断学
Diagnostic Procedures on Degenerative Diseases of Central Nervous System.
村上 恵一
1
Keiichi Murakami
1
1慶応大学内科
1Department of lnternal Medicine, Keio University School of Medicine.
キーワード:
変性疾患
,
中枢神経
,
遺伝
,
筋緊張
Keyword:
変性疾患
,
中枢神経
,
遺伝
,
筋緊張
pp.647-651
発行日 1976年8月10日
Published Date 1976/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103607
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はじめに
神経系の変性疾患と呼ばれるものの多くは原因不明のものであり,また,当然のこととして何らかの機能障害を伴うものである.ただし,遺伝性ないし先天性の疾患群では素因が生得的であっても発症は必ずしも若年代とは限らず,まったく異常を認めないまま高年に至って種々の病像を呈するものも稀ではない.もちろん,先天的とはいえ,生下時には構造的ないし機能的に正常な状況であったものが,その後の生活中に次第に異常を生じる経過をたどるもののあることも当然である.代謝障害・中毒などに起因するものも存在し,一般的には緩徐な症状の出現を示し,経過とともに増悪するのを常とする.発症の楔機としては情緒的ショック,身体的侵襲などがとりあげられることもあるが,それらが原因そのものであり得るかどうかは不明の場合が多い.いずれにせよ,疾患群を考慮する場合にはその分類が問題となり,それぞれの立場からいくつかの分類が試みられているのであるが,ここでは主要臨床像からの分類を示し,それに従って疾患を解説していきたい.
なお,分類表にあるものすべてにわたって述べる余裕はないので,リハビリテーションの対象として,あるいは分類との関係で重要なものからとりあげて述べるが,その他のものは分類表よりその疾患としての位置を把握されたい.また,診断学講座の本シリーズのうちでは,すでに脳・脊髄に関する検査方法がとりあげられているので,一般に脳・脊髄両者にわたり症状のある変性疾患群の診断につき,それらも参考にしていただくことと了解したい.
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