特集 めまいがするんです
【回転性めまい(vertigo)】
BPPV以外で,メニエール病,前庭神経炎,突発性難聴などの回転性めまいを生じる耳鼻科的疾患―ジェネラリストが知っておくべきこと
進藤 彰人
1
,
松永 達雄
1
1独立行政法人国立病院機構東京医療センター・耳鼻咽喉科
キーワード:
意識障害
,
激しい頭痛
,
構音障害
,
眼球偏位
,
眼振の方向
Keyword:
意識障害
,
激しい頭痛
,
構音障害
,
眼球偏位
,
眼振の方向
pp.932-935
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102050
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耳鼻科的疾患によるめまいは,平衡覚の感覚器である内耳の前庭,三半規管あるいは前庭神経の障害が原因で起きる.中枢神経の障害による中枢性めまいに対して,末梢性めまいあるいは内耳性めまいと呼ばれる.図1に示した通り,内耳はこれら平衡覚の感覚器と聴覚の感覚器である蝸牛からなるため,末梢性めまいは難聴を伴う場合が多いことが特徴である.めまいを訴える患者の多くは,自分が生命にかかわる重篤な病気になってしまったのではないかという強い不安を抱えている.このため,めまい診療では中枢性めまいを除外できた時点で,まず患者に生命に問題がないことを説明することが患者の安心につながる.また,耳鼻科的疾患によるめまいでは,前庭機能障害が残っても前庭代償(J1)によって,大部分はめまいが消失していくことも特徴である.このことも,末梢性めまいの診断がついた時点で,患者に説明することで,不安を和らげるのに役立つ.しかし,末梢性めまいでも,とくに急性期のめまい症状のつらさは,中枢性のめまい同様につらいものであり,少しでも患者の症状の軽減をするために診断と治療を適切に進める必要がある.
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