研究
産婦の疲労回復
小櫃 美智子
1
1東京大学医学部附属助産婦学校
pp.14-18
発行日 1957年7月1日
Published Date 1957/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201296
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私達が日常看護しておりますところの産婦の殆んどは,自然分娩の経過をとつております.その分娩所要時間は,初産婦12〜15時間,経産婦5〜10時間ですが分娩の難易,所謂娩出力の強弱,胎児の大きさ,産道の狭幅等により種々様々であります.分娩と言う現象は産婦殊に初産婦に於いては初めて味う産痛による精神的不安と,母親となる喜びを随伴した筋肉労作と言つてもよいでしよう.その副産物として大なり,小なりの疲労を産婦に与え,時にはその疲労により自然分娩が不可能になることさえあります.日本の産科学は尚自然分娩の経過を尊重しておりますので,その間に於ける産婦の精神的又肉体的な疲労を軽減し,又それを倍加させる様な因子を作らない様注意が払われなければならないと思います.それではどうしたら産婦の疲労を少くし,又回復することが出来るかについて考えてみましよう.
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