特集 肩こりを解きほぐす
【トピックス】
肩こりと枕,寝具の関連
神 與市
1
1昭和大学整形外科学教室
pp.287
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101666
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肩こりの原因が脊髄や神経根,椎間関節由来である場合は頸椎を安定化させることにより症状の改善を得られやすい.治療方法として日中は牽引やカラー固定という方法があるが,筆者は起床時に症状の増悪を訴える患者さんが多いことに着目し,夜間の適切な頸椎装具として1997年に治療用枕(頸椎安定枕)を開発した.
枕作製にあたっては,頭部の大きさや頸椎の長さとアライメント,仰臥位での頭蓋骨と胸椎の関係,側臥位での肩と側頭部の段差などを計測し,症例ごとにオーダーメイドとしている.仰臥位で頸椎中間位を維持するために胸椎の後弯による後頭骨と背中の段差と敷布団の硬さを考慮して枕の厚みを決定している.また,側臥位は枕の両外側部に側頭部を乗せ安定させるが,肩関節の柔らかさを加味して頸椎が正面像でまっすぐになるように調整している.また,仰臥位で頸椎を乗せる部分には頸椎の長さとアライメントから作製した小枕を内蔵している.
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