特集 医療シミュレーション教育 21世紀の医学教育の潮流
【シミュレーション教育のためのガイダンス】
救急外来初期診療のシミュレーション教育―救急初療T&Aコースについて
山畑 佳篤
1
1京都大学医学部附属病院初期診療・救急医学
キーワード:
救急初療
,
トリアージ
,
安定化
,
OMI
,
動きながら考える
Keyword:
救急初療
,
トリアージ
,
安定化
,
OMI
,
動きながら考える
pp.139-141
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101624
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医療機関の救急外来には,さまざまな主訴,さまざまな疾患の患者が日々多数訪れる.独歩来院患者の大多数は軽症であるため,その場の診断もしくはその場の処置により帰宅可能である.
しかし独歩来院患者のなかにも一定の割合で入院を要する症例や緊急処置が必要な症例があり,適切に優先度を選別すること(Triage)を常に念頭におく必要がある.疾患によっては緊急度や重症度が高いものがあり,初期診断から初期の治療介入まで(Action,Treatment)迅速に行動しなければ,機能予後に影響を及ぼしたり,生命に危険を及ぼしたりしてしまうことがありうる.最近の研究では,救急医療機関の自力受診患者のうち,集中治療や緊急手術を要するような重症症例は0.2~0.7%との報告がある.実に200~500人に1人が重症症例なのである.
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