特集 高齢社会の看取りのサイエンスとアート
【トピックス】
終末期における透析導入適応と中止
三浦 靖彦
1
,
黒澤 聡子
1
1医療法人財団慈生会 野村病院
キーワード:
腎機能
,
Cr値の解釈
,
日本人のGFR推算式
Keyword:
腎機能
,
Cr値の解釈
,
日本人のGFR推算式
pp.680-683
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101487
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わが国における透析医療の現況
わが国における2006年末の慢性透析患者数は264,473名と報告されている1).1年間に新たに透析に導入された患者の平均年齢は66.4歳で,全透析患者中75歳以上の患者が22.6%を占めている.高齢化の原因として,糖尿病性腎症および腎硬化症の増加があげられているが,透析技術の進歩により,従来では透析導入を見送られていた重症患者や超高齢者も積極的に透析に導入されるようになったことも一因と考えられる.2006年の1年間に90歳以上で透析に導入された患者が451名であったことから,高齢者であっても積極的に透析に導入されていることが伺える.しかし,年齢別1年生存率をみると,30歳台の患者の0.955に対して,75歳以上の患者群は0.701,90歳以上群では0.516であり,これら超高齢者の透析導入については議論の余地があろう.
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