高齢透析患者に対する個別化した医療と介護
終末期医療 透析の非導入・継続中止・事前指示 いつ、どのようにして進めるべきか
大平 整爾
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1札幌北クリニック
キーワード:
緩和ケア
,
血液透析
,
死因
,
腎不全-慢性
,
生活の質
,
ターミナルケア
,
患者の医療活動参加
,
患者の権利擁護
,
患者による事前指示
,
治療の差し控え
,
緩和医学
Keyword:
Cause of Death
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Patient Advocacy
,
Patient Participation
,
Palliative Care
,
Quality of Life
,
Terminal Care
,
Advance Directives
,
Withholding Treatment
,
Palliative Medicine
pp.1295-1302
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015004443
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末期慢性腎不全患者は透析を選択すれば,その開始後に安定期を迎えてその人なりの社会復帰を果たす.しかし,種々の合併症の出現は完全には回避できず,一定期間後に日常生活の基本動作が困難か不能となる.この時期にいわゆる終末期ケアが,遅くとも開始されるべきと考える.担当医がもっとも苦慮する点は臨死期の患者の意向が不明であることで,事前指示(書)の必要性が高く,透析開始後病状の落ち着いた時期に患者に作成を勧めたい.一方で透析導入(開始)の決断は単に腎機能障害度にのみ依存せず,他臓器の障害度にも検討を加えたうえで,透析療法の効用度を見極めることが医療側と患者側に必要となる.日本透析医学会理事会が2014年3月28日に承認した「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」が,この問題で有用な指針となることを,提言作成に関わった一人として願いたい.
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