特集 論争の現場を見にいく
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pp.1044-1045
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101303
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Q1 PSA 4.0ng/ml未満では,どのような場合に精密検査の対象になりますか?
A1 PSA 4.0ng/ml未満の群に対する生検の陽性反応的中率は,PSA 4.0~10.0ng/mlの対象群の平均値に比べて低い,という多くの報告があります.実際これらの群に対して介入を行うことは,膨大な生検数の増加(つまり不必要な生検数の増加)と,臨床的に意味のない癌の発見数の増加という結果を招くことになります.しかし,明らかな危険因子である家族歴を有する場合はこの限りではありません.第一度近親者(親,子,兄弟)に前立腺癌患者が1人いると,その人が前立腺癌に罹患する確率はそうでない人の2~3倍になり,その数字は家系内の前立腺癌患者の数が多いほど,また罹患患者年齢が若ければ若いほど高くなると言われています.
また年齢にも考慮する必要があり,PSAの基準値は50~64歳で3.0ng/ml,65~69歳で3.5ng/ml,70~79歳で4.0ng/ml,80歳以上で7.0ng/mlの設定が推奨されています.(安藤大樹・他→p1016)
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