特集 論争の現場を見にいく
メディアが医療論争を読み解く5つの視点
北澤 京子
1
1日経BP社
キーワード:
メディア・ドクター
,
エビデンス
,
利益相反
,
費用対効果
,
disease mongering
Keyword:
メディア・ドクター
,
エビデンス
,
利益相反
,
費用対効果
,
disease mongering
pp.1012-1015
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101295
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医学記事には“ABC”が足りない
医療の専門家がマスメディアに対して多かれ少なかれ不満を持っているというのは,何も日本に限ったことではないらしい.『臨床疫学』の著者として有名なデビッド・サケットらは,マスメディアの記事は往々にして,「(研究成果が)誤解されていたり(misunderstood),誤りであったり(misrepresented),人騒がせだったり(sensationalized)する」と厳しく指摘している1).
マスメディアの医学記事の“質”を問う研究もいくつかある.たとえばプラバスタチンをはじめとする3つの薬剤について,米国の主要な新聞に掲載された207本の記事を検討したところ,薬剤の有益性,害,および費用について,不適切または不完全な情報が含まれている可能性があることがわかった2).カナダの新聞記事について調べた研究でも同様の結果だった3).
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