特集 在宅医療のスキルアップ
【困らないためのスキルアップ●急性期対応編】
褥瘡と壊疽を悪化させない
平原 佐斗司
1
1梶原診療所在宅サポートセンター
キーワード:
褥瘡
,
大浦・堀田(OH)スケール
,
重症下肢虚血
,
壊疽
Keyword:
褥瘡
,
大浦・堀田(OH)スケール
,
重症下肢虚血
,
壊疽
pp.840-842
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101229
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Case
ショックを機に褥瘡と壊疽が出現した遷延性意識障害のケース
患者:72歳,男性.
脳挫傷による遷延性意識障害,完全四肢麻痺.気管切開管理,胃瘻からの経管栄養と糖尿病のインスリン自己注射を行っている.合併症として慢性心不全,慢性腎不全を認める.心原性ショックのためA病院に入院したが,入院中仙骨部にⅢ度の褥瘡と,両下腿,両踵,右母趾に壊疽をつくって退院した.足背動脈,後脛骨動脈,膝窩動脈は触知せず,末梢動脈疾患(peripheral arterial disease : PAD)に伴う壊疽と診断した.仙骨部の褥瘡は高機能の体圧分散器具と壊死組織の除去,被覆材による閉鎖療法などにより4カ月で治癒した.一方,両下腿,踵の壊疽はリポPGE1の静注と保存的な創処置により改善してきたが,右母趾の壊疽は悪化し,末節骨が露出してきた.
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