発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007261010
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当院で下肢切断術を行った59例75肢(男性38例、女性21例・平均67.8歳)を対象に、下肢壊疽の原因疾患、手術成績、機能的予後および生命予後を後ろ向きに調査し、施行すべき切断高位について検討した。原因疾患別に糖尿病(DM)単独群(13例13肢)、閉塞性動脈硬化症(ASO)単独群(15例17肢)、DM+ASO群(8例10肢)、透析単独群(5例6肢)、透析+DM群(18例29肢)に分けて検討した。手術前の壊疽範囲は、DM単独群、透析+DM群は足関節より遠位が多く、ASO単独群は下腿までの例が多かった。初回切断高位は、DM単独群は下腿が、ASO単独群は大腿が多く、透析+DM群は下腿と足部が多かった。DM,ASO、透析単独群で再切断はなかったが、透析+DM群では再切断率57%と高率であった。機能的予後は、片側例(43例)は歩行可能19例、車椅子14例、寝たきり2例、入院中死亡8例、両側例(16例)は歩行可能5例、車椅子7例、寝たきり2例、入院中死亡2例であった。全体の生存率は1年 73%、3年 52%、5年 32%であり、透析患者では非透析患者に比し有意に予後不良であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007