EBM時代の生薬・方剤の使い方 [第11回・生薬編]
蘇葉と鎮静
戸田 則明
1
Noriaki Toda
1
1株式会社ツムラ 生薬・資源研究所
pp.983-985
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101069
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蘇葉の基原植物であるシソ(Perilla frutescens Britton var. acuta Kudo)は中国中南部の原産で,国内でも梅干しや佃煮あるいはスパイスの原料など,食用を目的として広く栽培されてきたことは周知のとおりである.シソは葉の色や形,香りの種類や強さ,あるいは開花の早晩性などの形質において大きな変異がみられ,互いの形質が組み合わさって多様な変種が生じ,各地で独自の在来種が形成されてきた.
精油の主成分からみると,perillaldehyde(以下,PAと略す)型,perilla-ketone(PK)型,elsholtziaketone(EK)型,citral(C)型,l-limonene(LPA : F1雑種のみに存在する)型,phenylpropanoid(PP)型の6種類のケモタイプに分類される1).このうちPA,PK,EK,C,LPAの5成分はmevalonateから派生するモノテルペンであり,PPはshikimateに由来する化合物の総称である2).
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