今日からできる思春期外来11
思春期外来は家族丸抱え外来―思春期の子どもへの対応に家族小児科学を学んでみよう
原 朋邦
1
Tomokuni Hara
1
1はらこどもクリニック
pp.980-982
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101068
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Case
11月の土曜日に,14歳女児の母親から,子どもが登校しなくなったので,相談にのってほしいとの電話が入った.子どもは医者には絶対行かないというし,父親も医者にかかる必要はなく,学校も無理に行かせる必要はないという.来春の高校受験を前に,母親の自分だけがやきもきしている.子どもが,転校すれば学校に行くというので転校もしたが,依然として不登校が続いている.担任に相談したら,当クリニックを紹介されたとのことであった.通常の診療が終わってから会うことにして,時間を設定した.
しかし,予定時刻を過ぎても来院がなく,母親の携帯電話に連絡をすると,家族で出かけて車が渋滞に巻き込まれてしまった,遅くなるけれど,一度帰宅して家族をおいてから自分だけで行きたいとの希望であった.予定時間を2時間も超えているので,先にクリニックに来てほしい,ほかの家族はその後に帰宅してもよいではないか,待っている当方の身にもなってほしいというと,その提案を受け入れてくれた.
駐車場で出迎えて,父親と患者本人に,当方の意見を受け入れてくれたことに謝意を伝え,母親がどんな相談をするのか気になるのであれば同席してみないかと誘うと,3時間近く待たせたことに対する気遣いもあったのか,意外に抵抗なく同席した.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.