患者の論理・医者の論理14
医療における時間の感覚
尾藤 誠司
1
1東京医療センター総合診療科
pp.536-540
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100970
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Case 1
Fさんは44歳男性.システムエンジニア.最近仕事が忙しく,デスクトップに1日中張りついていた毎日.睡眠不足気味である.1週間前から頭全体に締めつけられるような頭痛があり,A病院を受診した.本人は,脳梗塞ではないかと心配しており,MRIの検査を希望している.初診を担当したB医師は,頭痛の原因については緊張性頭痛である可能性が圧倒的に高いと考え,「ちょっと原因ははっきりしませんが,とりあえず痛み止めを出しておきますので,それで様子をみましょう.とくに検査はいらないと思います.また2週間後に来てください」と説明したところ,Fさんから「きちんと検査もせずに痛み止めでごまかすなんて,なんて医者なんだ.こっちはこんなに心配しているのに!」と憤慨されてしまった.
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