今日からできる思春期外来6
思春期における対象喪失とモーニングワーク―低身長と思春期
石谷 暢男
1
1医療法人石谷小児科医院
pp.532-535
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100969
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Case
患者:10歳,女児.
生下時より,身長も体重も大きいほうではなかったが,徐々に身長の伸びが悪くなり,小学校に入学した頃には,前から2番目となり,最近では1番前になった.以前診察を受けた医師には,「父親の転勤による転居や,母親が厳しいこと,早期教育のしすぎ,塾通いの過剰なストレスから身長が伸びなくなったのだ」と言われた.今の子どもたちは皆同じような生活をしているのに,なぜこの子だけがと疑問を感じたが,心配だったので,大きな病院で診察を受け,内分泌の負荷試験のため入院検査も行った.小児科医より,「成長ホルモンをはじめ,性ホルモン,甲状腺ホルモンの反応は正常で問題ないので,低身長に対する治療法はない」と言われた.
今までの診断に疑問をもち,「この子は気管支喘息があるので,そのために発育が悪いのでしょうか」と母子で来院した.
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