在宅医療技術の進歩(第11回)
在宅医療における消化器疾患への対応
中澤 肇
1
1中沢クリニック 内科・小児科・消化器科
pp.978-981
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100740
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日常の外来診療において,消化器症状・消化器疾患を扱う機会は多いが,在宅医療においてもこの傾向はみられ,消化器疾患への対応は避けて通れない.本稿では,在宅医療における消化器症状・消化器疾患への対応の現状と今後の方向性について,考えてみたい.
在宅医療における消化器症状・消化器疾患の考え方
消化器系は,栄養摂取・消化吸収・排泄などの重要な機能を担い,患者さんの栄養状態・全身状態・QOLの維持向上に関連の強い分野である.在宅療養中の患者さんにおける消化器疾患は,病院などの医療機関ですでに診断がつき治療継続中か治療終了後か,または療養のなかで新たに疾患が発生したか,の二通りが考えられる.前者の場合には,病院の受持医と連携して在宅での診療を充実させ,後者では,在宅でできる検査法・治療法を駆使しながら,必要に応じて医療機関に精査・治療を依頼し,その後また在宅に戻る,など臨機応変に対応していく.在宅医療を担当する医師としては,患者さんに少しでも快適な在宅療養生活を過ごしてもらうために,検査・処置・治療に関して在宅医療技術の向上を図っていきたい.
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