ヘルスコミュニケーションの時代(第5回)
医療情報―信頼性と理解
遠藤 弘良
1
1WHO Director, Department of Communicable Diseases Prevention, Control and Eradication
pp.982-984
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100741
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コミュニケーションの重要な構成要素は,送り手,受け手,そして両者の間でやりとりされる情報である.これまで本講では,主に送り手ならびに受け手の視点からコミュニケーションを論じてきた.そこで今回は,情報の視点からヘルスコミュニケーションについて論じてみたい.ただし,情報といっても医療情報全般を論じるのではなく,コミュニケーションの成立に重要な,情報の「信頼性」と「理解」に焦点を絞ることとする.
情報の信頼性
医療に関する情報は,quality of life,そして時に生死にかかわる内容までも含むだけに,それが信頼できる情報であるか否かが重要となる.「情報の信頼性」とひと言で言っても,①情報の質そのもの,②情報を提供する人や組織,③情報を伝える媒体,それぞれに対する信頼性が問われる.
医療情報が巷にあふれる現代,情報の量や入手のしやすさに関する問題は,digital divideなどの問題は残っているものの,ほぼ解決されている.そこで今後は,よりいっそうその信頼性が問われるようになる.
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