特集 Generalistのための糖尿病診療10カ条
[臨床検査の意義とその解釈①]―検体検査
小谷 和彦
1
1鳥取大学医学部臨床検査医学
キーワード:
インスリン(IRI)
,
C-ペプチド(CPR)
,
グリコヘモグロビン(HbA1c)
,
1,5AG
,
GAD抗体
,
尿微量アルブミン
Keyword:
インスリン(IRI)
,
C-ペプチド(CPR)
,
グリコヘモグロビン(HbA1c)
,
1,5AG
,
GAD抗体
,
尿微量アルブミン
pp.616-619
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100656
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Case
諸検査を用いた糖尿病診療の実際
患 者:35歳,男性.新聞記者.
現病歴:数年前から2型糖尿病として食事・運動療法と投薬が開始された.血糖管理は不良で,その原因は仕事が不規則で,生活習慣の改変や服薬遵守さらに定期受診もできずにきたことにあるとされた.転勤で紹介転医となった.病態や成因の再検討をしたところ,空腹時血中IRI,CPR値とも低くGAD抗体(+)で,緩徐進行型1型糖尿病を思わせた.インスリン療法を導入しHbA1cは低下しはじめた.経過中の不摂生による治療の乱れとその改善の様子は,1,5AGを用いて説明し助言を加えた.尿微量アルブミンを定期的に測定しているが,(-)を保っている.
糖尿病罹患者においては症状や症候が乏しいまま経過することも少なくない.ゆえに糖尿病診療ではさまざまな検査が行われ,その結果がマネジメントの参考とされている1).検査を適正に利用するための知識と姿勢(J1)に資するよう,以下に主要な検体検査項目について概説する.
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