特集 Generalistのための糖尿病診療10カ条
シックデイ対応の説明と指導
大石 まり子
1
1大石内科クリニック
キーワード:
シックデイ
,
感染症
,
インスリン治療
,
糖尿病性昏睡
,
低血糖
Keyword:
シックデイ
,
感染症
,
インスリン治療
,
糖尿病性昏睡
,
低血糖
pp.613-615
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100655
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Case
インフルエンザの合併により,経口摂取不能,高血糖をきたしたインスリン治療中の2型糖尿病の1例
患 者:68歳,女性.血糖自己測定実施中.
現病歴:インスリン(一日3回)+経口血糖降下薬併用療法中(HbA1c 6.8%).インフルエンザに罹患,39℃の発熱,全身倦怠感にて摂食不能,空腹時血糖(FPG)が315 mg/dlに上昇し来院.500 mlの輸液を3日間実施,経口薬は中止し,血糖自己測定により通常のインスリンに超速効型インスリンを追加,水,茶の摂取を促した.3日目より徐々に摂食可能,7日目より通常のインスリン治療に戻り,9日目FPG 106 mg/dlに回復した.
シックデイ(sick day)とは
糖尿病患者が,発熱を伴う感染症,嘔吐・下痢などの消化器症状,外傷などを合併し,血糖コントロールが困難になった状態,または食欲不振のために食事ができない時をシックデイと呼ぶ.シックデイの際には,通常の診療を超えた対応が必要であり,対応を誤ると糖尿病昏睡や重症低血糖をきたす.主治医はシックデイ時の治療・対処法を理解するとともに,あらかじめ,患者と家族にシックデイ指導を行う必要がある.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.