特集 Generalistのための糖尿病診療10カ条
インスリン分泌薬の作用機序と使い方
能登谷 洋子
1
1東京医科大学病院第3内科
キーワード:
SU薬
,
非SU薬
,
非肥満
,
インスリン分泌障害
Keyword:
SU薬
,
非SU薬
,
非肥満
,
インスリン分泌障害
pp.591-594
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100650
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Case
SU薬で血糖コントロールしえた2型糖尿病の1例
患 者:56歳,男性.
既往歴:46歳時に脂肪肝.
家族歴:母が糖尿病.
現病歴:5年前検診にて高血糖を指摘され,精査の結果糖尿病と診断された.食事・運動療法にて空腹時血糖100 mg/dl,HbA1c 5.6%となったが,2年後には通院を中止し放置.数カ月前より口渇,多尿を自覚し来院.来院時の身長175 cm,体重68 kg,随時血糖値380 mg/dl,HbA1c 8.9%,糖尿病合併症なく,肝・腎機能正常.食事・運動療法3カ月施行後,HbA1c 8.0%であった.グリミクロン40 mg/日を投与.その後低血糖症状なく,HbA1cは5.8から6.3%で経過.グリミクロン20 mg/日に減量するもHbA1c 6.0%前後を保っている.
近年,作用機序の異なる経口血糖降下薬がいろいろ発売されているが,経口糖尿病治療薬の主軸となっているのは依然としてインスリン分泌薬である.インスリン分泌薬は,スルホニル尿素基を有するスルホニル尿素薬(SU薬)系と,SU基をもたない非スルホニル尿素薬(非SU薬)系に分けられる.非SU薬は速効型インスリン分泌薬とも称されている.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.