特集 Generalistのための糖尿病診療10カ条
インスリン製剤の種類と使い方
河野 幹彦
1
1自治医科大学臨床検査部
キーワード:
インスリン製剤
,
強化インスリン療法
,
現行インスリン療法
,
retrospective algorithm
Keyword:
インスリン製剤
,
強化インスリン療法
,
現行インスリン療法
,
retrospective algorithm
pp.586-590
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100649
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Case
インスリンの分割投与とインスリン製剤の変更で血糖コントロールが良好となった2型糖尿病の1例
患 者:60歳,女性.
現病歴:1年前からインスリン療法が開始され,朝食前に中間型インスリンを26単位注射していた.HbA1cは7.5%前後で,夕食前に月2~3回低血糖が生じていた.中間型インスリンを朝食前16単位,夕食前10単位に変更すると低血糖はほとんどなくなり,HbA1cは7.1%に改善した.しかし,食後血糖が高いため混合型(速効型:中間型=3:7)に変更した.インスリン量は変更せずそのままに据え置いたが,食後血糖は改善し,HbA1cは6.5%となり,低血糖もほとんど消失した.
インスリン療法の適応
絶対的適応はインスリン依存状態(1型糖尿病のほとんど,2型およびその他の特定の型の糖尿病の一部),糖尿病性ケトアシドーシス,非ケトン性高浸透圧性高血糖状態,過度のストレス状態(重症感染症,重度外傷,外科手術),薬物療法を必要とする妊娠計画時~授乳中の女性,高度な肝臓障害および腎障害患者で,相対的適応は経口血糖降下薬無効,糖毒性解除およびインスリン分泌障害が推測される例である.
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