特集 エビデンスを2型糖尿病臨床にどう生かせばいい?―Evidence Based MedicineをReal Worldへ
糖尿病薬物療法
SU薬・グリニド薬
永井 聡
1
,
吉岡 成人
1
Sou NAGAI
1
,
Narihito YOSHIOKA
1
1NTT東日本札幌病院糖尿病内分泌内科
キーワード:
SU薬
,
グリニド薬
,
膵β細胞
,
低血糖
,
食後高血糖
Keyword:
SU薬
,
グリニド薬
,
膵β細胞
,
低血糖
,
食後高血糖
pp.75-78
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_75
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Summary
▪SU薬・グリニド薬はともに膵β細胞膜のKATPチャネルを介してインスリン分泌を刺激するが,結合部位の違いやその他の付加的な作用機序により効果発現と作用時間が異なる.
▪SU薬はUKPDSにおいて細小血管症を減少させるエビデンスを得たが,心血管イベントのリスクを高める報告もある.グリニド薬はmotforminと同等の一次・二次予防効果を有することが示唆されている.
▪SU薬はHbA1cを1~2%低下させ,第一選択薬として投与可能である.現在はgliclazideとglimepirideが主に用いられるが,過剰投与が低血糖を招く懸念のため少量から開始することが原則である.
▪グリニド薬は食後血糖の改善を期待して早期の糖尿病患者が適応である.食事療法と相乗的に指導することは服用アドヒアランスの維持に効果的である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018