特集 診療ガイドライン
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pp.60-61
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100523
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Q1 再灌流療法は発症から何時間までが適応ですか.
A 結論から言うと,とくに時間制限はありません.心電図上STが上昇または低下している患者さんで,いまだに胸痛を訴えている限りにおいては,12時間以上経っていてもPTCAの適応はあります.とくに下壁梗塞で右室梗塞を合併している時には,発症後24時間経っていて,すでに胸痛がなくなっていても,PTCAを行うことで血行動態は改善し,生命予後も改善するといわれています.(藤井崇史,他→本号p22)
Q2 HDLBCが100 mg/dl以上ある高コレステロール血症はどうするのですか.
A ガイドラインではLDL-Cで判定することが基本として求められており,著しい高HDL-C血症においても同じでよいと考えている.60 mg/dl以上のHDL-Cであれば負の危険因子として正の危険因子を一つ相殺できるとの考えも出されたことがあった(NCEP ATPⅡ)が,ATPⅢではこのような考えは変化しており,低HDL-C血症が強調されている.また,著しい高HDL-C血症の多くはコレステロールエステル転送蛋白欠損症であり,コレステロール逆転送系の異常ととらえ動脈硬化を進展させるとの推測もあるが,これまで明確な証明はなされていない.現時点では,Friedewaldの式によるか,直説法によるLDL-C値に基づき治療方針を決定すればよいと考える.(小泉順二→本号p29)
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