プライマリ・ケアのリスクマネジメント[10]
出血性ショックの輸血速度
長野 展久
1
1東京海上日動メディカルサービス/東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科司法医学
pp.504-508
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100507
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輸血に関連した医療事故の内容をみると,いまだに不適合輸血の頻度が高く,その原因は技術的ミス(血液型判定や交差適合試験の誤り),あるいは管理ミス(血液の取り違えや誤記載など)などが主体です.このような輸血間違いはあまりにも単純な事故であるため(ほとんどの事例で示談・もしくは和解),事故防止対策として患者用リストバンドを活用したり,あるいは実際に輸血が行われるまでの過程で複数の職員によるダブルチェックを導入することによって,かなりの輸血事故を未然に防ぐことができると思います.
今回呈示する症例は,これまでの輸血事故にはみられなかった「輸血速度」が争点となった医事紛争であり,容態急変時の急速輸血を行う際にはぜひとも参考にしていただきたいと思います.
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