JIM Report
第1回 死生観・臨死ケアワークショップ
竹中 裕昭
1
1竹中医院
pp.662-664
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100398
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死は人生の大イベントであるにもかかわらず,臨死期のケアは経験的になりがちである.今回,臨床ケアや各自の死生観に関する体験学習を試みたいので報告する.
総合診療医や家庭医は,「生・老・病・死」すべてのケアに関心を持つ.今回はその中の「死」に対するケアを学ぶため,とくに死生観と看取りに焦点を当て,2005年7月17日(日),「第1回死生観・臨死ケアワークショップ」を開催したので報告する(表1).なお,当日の配布資料は,文末に提示した2文献の別刷である1,2).今回はセミクローズドで行ったため,参加者は7名の医学生,研修医であった.
ターミナルステージにおける予後推定と医師の対応1)
癌患者は,時期によりある程度,特有の症状を呈する.よって,医師がそれを知っておくことで適切な治療が行え,家族に対しても予期的指導(anticipatory guidance,J1)を行うなど,死の受容に対するサポートができると考えられる.このセッションは,予後6カ月以内と考えられるターミナルステージ(終末期)の定義から始まり,疼痛ケア中心で月単位の予後が推定されるターミナル前期,全身倦怠感をはじめ,徐々に強くなっていく症状に対して,週単位の予後を見据えながらのケアに切り替えるターミナル中期,そしてADL(activity of daily living:日常生活動作,J2)が障害され,予後が日単位となってくるターミナル後期,および臨死期の兆候についてレクチャー形式で行った.
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