学生の広場
臨死患者の看護を通して学んだこと
杉本 郁子
1
1東京大学医学部付属看護学校
pp.68-72
発行日 1983年1月1日
Published Date 1983/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919760
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はじめに
医療の進歩に伴い,死を病院で迎えることが当然のことのようになり,1日でも延命を図ろうと,あらゆる医療器機を患者の体に取り付け,点滴をするなどしてベッドに縛りつけることが多くなっている.果たしてこうした姿が,人間としての最期のものとして私たちが求める姿なのだろうか.こうした疑問を感じている人は少なくないようで,最近では,ターミナルケアあるいはホスピスなどの言葉が盛んに使われている.私は大学病院という枠の中では,このような精神に基づいたケアは無理なことと考えていたが,この度の内科での6週間の実習において,それに近いケアができたのではないかと感じた.
そこで,患者とのかかわりの過程の中で悩み,学んだことを,ここに記してみたいと思う.
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