特集 プライマリ・ケアにおける精神疾患 generalistと精神科医のコラボレーション
【場面別:精神症状のみかたと対応】
①学校における精神症状のみかたと対応
大久保 圭策
1
1大久保クリニック
キーワード:
児童期・思春期・青年期
,
学校精神保健
,
発達
,
軽度発達障害
,
他機関との連携
Keyword:
児童期・思春期・青年期
,
学校精神保健
,
発達
,
軽度発達障害
,
他機関との連携
pp.478-483
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100360
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Question & Answer
Q:学校という“場”での対応で注意すべき点は?
A:子どもの状態は発達という軸上で,身体・精神・行動面を多層的に理解し,同様に多面的な介入が有効です.最近は,軽度発達障害の理解も必要です.
学校精神保健の概観
1970年代の中頃から増加の一途をたどっている不登校の問題は,学校における子どもたちの精神健康に眼を向けさせるきっかけとなりました.80年代には対教師暴力を中心とする校内暴力の問題が起こり,80年代中盤にはいじめによる自殺がマスコミでも報道され,この問題が想像以上に深刻な状況に陥っていることがわかってきました.
摂食障害や違法薬物の乱用の増加も,放置することのできない問題です.児童虐待防止法や発達障害者支援法などの成立を受けて,虐待されている子どもの精神健康や軽度発達障害(J1)の問題を持っている子どもの学校での生活や学習面での保障をどうしていくのかということも,学校精神保健の課題となっています.また,最近では学校で起こる不慮の事故などに関連した,外傷後ストレス障害などの精神失調も,注目されるようになってきました.
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