特集 プライマリ・ケアにおける精神疾患 generalistと精神科医のコラボレーション
プライマリ・ケアにおける精神症状のみかた―精神疾患を見落とさないために
竹中 裕昭
1
1竹中医院
キーワード:
プライマリ・ケア
,
日常的健康問題(common health problem)
,
睡眠障害
,
うつ病/うつ状態
,
不安障害/不安状態
Keyword:
プライマリ・ケア
,
日常的健康問題(common health problem)
,
睡眠障害
,
うつ病/うつ状態
,
不安障害/不安状態
pp.450-455
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100355
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Question & Answer
Q:落ち込むことや不安なことは誰にでもあるのに,どこで病気と判断するのですか?
A:私たちは,患者さんがその症状に困られていて,かつ社会生活に支障を及ぼしている場合や,自己・他者を傷つける可能性がある場合に病的なものであると判断しています.
プライマリ・ケアの現場における精神疾患
プライマリ・ケア医は地域住民の日常的健康問題(common health problem)の専門家であるが,日常的健康問題の頻度については主観的に論じられることが多く,客観的に調査した研究は意外と少ない.その中でも山田隆司らは,ICPC(International Classification of Primary Care)2)(J2)に基づく複数の地域の診療機関での包括的な調査を行っている3).彼らは日常的健康問題を「継続的な健康問題」「調査期間の1年間に生じた新しい健康問題」「初診時の受診理由」に分けて調査している.
それによると,初診時の受診理由の中で上位50位に入る精神的な健康問題は,睡眠障害/不眠(0.7%)のみであった.継続的な健康問題の中で上位50位に入る精神的な健康問題は,睡眠障害/不眠(3.3%),うつ病(0.6%),不安神経症/不安状態(0.5%)であった.また調査期間の1年間に生じた新しい健康問題で上位50位に入る精神的な健康問題は,睡眠障害/不眠(0.8%)のみであった.
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