特集 プライマリ・ケアにおける精神疾患 generalistと精神科医のコラボレーション
精神科医とのより良い連携のために
渡辺 洋一郎
1
1渡辺クリニック
キーワード:
一般臨床医と精神科医の連携
,
連携診療
,
チーム医療
,
精神科紹介
Keyword:
一般臨床医と精神科医の連携
,
連携診療
,
チーム医療
,
精神科紹介
pp.456-460
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100356
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Question & Answer
Q:一般臨床医と精神科医とが連携するうえで,もっとも重要な点は何か?
A:一般臨床医から精神科医へバトンタッチしてしまうということではなく,一般臨床医,精神科医,さらには患者の家族らが治療チームを作るという認識をもち,役割分担に留意することである.
一般臨床医を受診する患者の中に,うつ病をはじめとして多くの精神科疾患患者が存在していることが注目されている.また,生活習慣病といった概念が提唱されるに伴い,アルコールやたばこ依存の治療などに,精神医学的アプローチの必要性がクローズアップされてきている.また,老人性障害の診療や在宅介護が,一般臨床医の機能の重要な部分を占めるようになってきており,さらには,かかりつけ医として一般臨床医を受診している一般の患者が,悲嘆反応をはじめとする一般的な精神医学的諸問題を示すであろうことなどを考えると,一般臨床医と精神科医との連携診療のニーズは,今後ますます増大していくと思われる.したがって,一般臨床医と精神科医とが「より良い連携」を図ることが重要になってくるのであるが,真に有効に機能する連携関係は容易ではない.とくに精神科医との連携は患者,家族,さらには医療関係者自身のさまざまな心理が関係して,良い連携関係を維持することが困難なことが多い.
一般臨床医と精神科医が連携するうえでの課題
筆者は1998年に,精神科医と一般臨床医とが連携診療していくうえでの課題を検討するため,一般臨床医の精神疾患診療に関する現況や考えについてアンケート調査を行った.そのアンケート結果から重要と思われる課題を抽出すると,以下の5点に集約できた1).
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