特集 プライマリ・ケア医のための関節リウマチ診療のすべて
【総論】
関節リウマチ診療におけるプライマリ・ケア医の役割
田巻 弘通
1
,
岡田 正人
1
1聖路加国際病院アレルギー・膠原病科(成人・小児)
キーワード:
関節リウマチ
,
プライマリ・ケア
Keyword:
関節リウマチ
,
プライマリ・ケア
pp.730-735
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102005
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関節リウマチは,自己免疫性の慢性多関節炎であり,活動性の炎症を十分にコントロールせずに放置しておくと,不可逆的な関節破壊をきたす.そのほか,肺,血管などの合併症を伴うこともある.人口の約1%が罹患するともいわれている関節リウマチは,プライマリ・ケアの診療の場面でも多々,遭遇する可能性のある疾患である.
近年,関節リウマチの診療は劇的に変化を遂げている.診断の場面では,リウマトイド因子のみならず,抗CCP抗体(anti-cyclic citrullinated peptides antibody)が新たな診断的マーカーとして2007年に日本の保険に収載されている.画像診断としては,関節のMRIや超音波検査が早期の関節炎の診断に有用であるとの報告がなされてきている.治療の場面においては,生物学的製剤(J1)と呼ばれる分子標的薬が12年ほど前から欧米の診療で使われ始め,日本でも7年前より生物学的製剤が保険適用を得て,現在の関節リウマチ診療には欠かせない必須の薬剤となっている.こうした治療の変化に伴い,より専門的な知識がリウマチ治療において欠かせなくなってきている.
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