特集 プライマリ・ケア医/危機一髪 日常診療で困ったら
再診・治療の危機一髪
患者が病棟からいなくなった!
二宮 清
1
1洛和会音羽病院家庭医療科
キーワード:
所在不明
,
無断離院
,
患者のトリアージ
,
患者捜索書類
Keyword:
所在不明
,
無断離院
,
患者のトリアージ
,
患者捜索書類
pp.393-395
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100295
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入院患者が突然病棟からいなくなること(所在不明),無断で外出し行き先不明になること(無断離院)は,入院患者が何らかの原因で憤慨し冷静さを失った時期,認知症や知的障害者が入院による環境の変化や心理的ストレスなどの要因が加わった時期に,患者行動の一環として発生する.これらは時として重大事故に結びつくことがあるため,発生時には患者の安全を第一に考え,速やかに捜索活動を展開しなければならない.入院患者の所在不明・無断離院を実際に経験ないしは見聞きしたことはあっても,不幸にも患者失踪後の事故や自殺などに直接遭遇した医師は多くはないと思われる.ここでは,以前勤務していた病院で経験した,無断離院後に交通事故に遭った症例を紹介し,その中で感じた問題点と今後同様の事態に際して考えられる対応方法について述べる.
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